研究者インタビュー

研究者のインタビューをご紹介します。

研究者がヒーローになる未来 研究者がヒーローになる未来

研究者がヒーローになる未来

ビジネスイノベーション本部の研究員、史宏杰は、「既存の研究を掘り下げるのではなく、独創的なものを生み出したい」と意気込む。海外で育ち、日本の技術にあこがれて学んだ史が日本のメーカーに必要だと強く感じるものは「変革」。日本の企業内研究者に一石を投じる存在を目指す。

中国で生まれ育った史は、好きだった音楽を通じてオーディオプレーヤーなどガジェットに関心を抱くように。香港の大学を経て日本で情報処理を専攻し、インターネット上での音質をいかに高められるか研究に没頭した。ガジェット技術で「トップを走っていた」という日本に関心を抱いた。大学院時代にインターンシップをしたパナソニックの「大学の研究室のような自由な雰囲気」にひかれ、入社した。

インタビュー風景

人の疑問に答えるシステム作り

入社時は好きな音楽に携われる音声処理の研究を選んだが、より研究を通じて人間の思考を探るためにテキスト処理に研究を転向。スマートフォンで話しかけると答えを導いてくれる、対話形式で人々の多様な疑問に答えられるAIの開発研究を続ける。

ビジネスの現場で顧客のニーズをくみ取り、改善して自らの研究の精度を高めていくことに力を入れる。研究者としてのモットーは「あらゆる問題を分解し、独自の発想と技術で解決すること」。データサイエンスと認知心理学から独自のアルゴリズムを生み出す、ジェフリー・ヒントン氏。「人が思いつかないような考え」で、大学と大手IT会社で活躍するヒントン氏は、史の目指す存在だ。

インターネット上では1つ質問を投げると、様々な人から答えが返ってくるようなFAQサイトが増えてきた。ただ、自分が聞きたい質問が過去に投稿されたかどうかを探すのは手間がかかり、なければ質問して答えを待つのは時間もかかる。質問をすれば瞬時にAIが答えてくれるようなシステムができないのだろうか。日々模索は続く。

インタビュー風景

日本のメーカー、変革が必要

外国で育った研究者だから思うこと。それは学生時代あこがれた日本メーカーの技術は進化しているのに、なんとなく感じる物足りなさだ。日本勢は「過去に築いた技術遺産はあるが、大きな変革が起こせていない」。

レントゲンやCTスキャンの画像診断でAIが医師にも見つけられないようなガン細胞を発見するなど、医学分野でもAIが活躍するようになってきた。史が今後目指すのはAIが対話しながら問診することで、病気を診断する「AI医師」の開発だ。
研究を通じ、「社会で必要とされ、世の中の発展の軌跡になりたい」と話す史。日本のAI研究者の風雲児になっていくのだろうか。

史 宏杰

史 宏杰

イノベーション推進部門 ビジネスイノベーション本部
AIソリューションセンター リビングスペースソリューション部

京都大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻(現:先端数理科学専攻)修士修了。
同社研究員として、自然言語処理技術・対話システムの研究開発を推進。
深層学習による自然言語処理の応用研究と、それらの技術を活かした業務支援対話システムの開発に取り組んでいる。
専門領域は、自然言語処理、深層学習、音声処理。